ソフトウェア開発会社の場合を例にとり、品質目標の具体例について説明させていただきます。
ソフトウェアには仕様書やソースコードにおいて、長さや構造、表現の一貫性など、たくさんの特徴を考慮しなければなりません。
ソフトウェア製品には、機能性、信頼性、使用性、効率性、保守性、移植性の6つの特性があります。
したがって、ソフトウェア開発関連会社で品質目標を定める際には、その6つの特性について細かく基準を定めることになります。
まず、機能性については、合目的性、正確性、相互運用性、セキュリティなど、雇用者の使用目的に対して適切で、正確な動作をするかどうかを確認します。
次に、信頼性については回復性や障害許容性など、トラブルの際の被害を少なくする能力を確認します。
その他、使用性については理解性・習得性・運用性などを、効率性については時間効率・資源効率などを、保守性については解析性・変更性・安定性などを、移植性については環境適応性・設置性・共存性などを、それぞれ考慮し、具体的な品質目標を設定します。
品質目標の具体的な設定項目には、例えば次のような点が挙げられるでしょう。
●顧客満足度の上昇については、クレーム件数が年に〇件以内になるようにする。
●製品収率を〇%以上にする。
●従業員教育については、必要な資格取得者を年に〇人以上出す。
つまり、品質目標の数値化が、きわめて重要視されるわけです。
数値化することにより、品質目標の達成度が目に見えるようになるからです。
具体的な品質目標を発表しているソフトウェア開発企業は多くはありませんが、たとえば某ソフトウェア開発企業は、「ソフトウェア」の受注量が前年より1件以上増える」という、非常に具体的な内容を品質目標にしています。